WealthNavi(ウェルスナビ)の投資理論は合理的です。
投資先を理解する事で多くの事を得られます。
ウェルスナビに留まらず、これから投資を始められる方は特に。
- ウェルスナビの投資先ETF銘柄
私もちょっとだけウェルスナビで運用していますが、偏見なくフラットなポジションから書いたつもりです。
誰かの参考になれば幸いです。
本記事の内容
ウェルスナビの投資先ETF銘柄
ウェルスナビの投資先の資産クラスは次の7つです。
- 米国株
- 日欧株
- 新興国株
- 米国債券
- 物価連動債
- 金
- 不動産
それぞれの資産クラスに連動する、規模・流動性が十分にある低コストETFにウェルスナビは投資しています。
【ウェルスナビの投資対象ETF】
- VTI(米国株)
- VEA(日欧株)
- VWO(新興国株)
- AGG(米国債券)
- TIP(物価連動債)
- GLD(金)
- IYR(不動産)
各ETF銘柄について
ウェルスナビが投資対象としている上記ETFは、いずれも歴史が長く資産規模も大きな銘柄です。
資産クラス | 銘柄 | 運用会社 | 資産総額 | 経費率 | 運用開始 |
米国株 | VTI | バンガード | 13.5兆円 | 0.03% | 2001/5/24 |
日欧株 | VEA | バンガード | 8兆円 | 0.05% | 2007/7/20 |
新興国株 | VWO | バンガード | 6.8兆円 | 0.12% | 2005/3/4 |
米国債券 | AGG | ブラックロック | 7.1兆円 | 0.05% | 2003/9/22 |
物価連動債 | TIP | ブラックロック | 2.2兆円 | 0.19% | 2003/12/4 |
金 | GLD | ステートストリート | 4.8兆円 | 0.40% | 2004/11/18 |
不動産 | IYR | ブラックロック | 0.5兆円 | 0.44% | 2000/6/12 |
※2019年10月17日時点、1ドル=108.48円
これらの銘柄を運用している資産会社(ブラックロック・バンガード・ステートストリート)については下記の記事でも解説しています。
1社の運用額で東証1部の時価総額を超えるという、世界でも名だたる資産運用会社です。
上記は銘柄自体も非常に有名な商品ばかりです。
米国株:VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)
VTIはCRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動するETFです。
米国株式市場に上場する約4,000銘柄から構成される時価総額加重型の株価指数です。
「ワケ分からな過ぎて吐きそう」という方は「米国株式全体」に投資しているETFと考えてください。
米国株は過去いかなる暴落が起きた際も立て直し、常に右肩上がりに成長を続けています。
VTIの過去10年の年率平均リターンは14.8%です。
日欧株:VEA(バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF)
VEAはFTSE先進国オールキャップ(除く米国)インデックスに連動するETFです。
カナダ・欧州地域・太平洋地域の先進国市場に上場する約3,700銘柄で構成される時価総額加重型の株価指数です。
主に日本、英国、カナダ、フランス、ドイツ、スイス、オーストラリアを中心とした米国以外の先進国の株式に投資するETFです。
【VEAに含まれる上位5市場】
- 日本:21.4%
- 英国:14.6%
- カナダ:8.7%
- フランス:8.6%
- スイス:7.5%
VEAの過去10年の年率平均リターンは6.7%です。
新興国株:VWO(バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF )
VWOはFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックスに連動するETFです。
全世界の新興国市場に上場する約4,000銘柄で構成される時価総額加重型の株価指数です。
主に中国、台湾、インド、ブラジルを中心とした世界の新興国の株式に投資するETFです。
【VWOに含まれる上位5市場】
- 中国:34.4%
- 台湾:13.4%
- インド:11.2%
- ブラジル:8.5%
- 南アフリカ:6.6%
VWOの過去10年の年率平均リターンは4.9%です。
米国債券:AGG(iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF)
AGGはブルームバーグ・バークレイズ米国総合インデックスに連動するETFです。
米ドル建ての投資適格固定利付き課税債券市場を表す株価指数です。
一定の基準を満たしている米国債券約7,600銘柄でに投資するETFです。安全性の高い米国の国債、社債を対象に投資します。
【AGGの特徴】
- リスクが小さく安定
- 暴落に強い
- インフレ時に価格が目減りする
AGGの過去10年の年率平均リターンは5.4%です。
物価連動債:TIP(iシェアーズ 米国物価連動国債 ETF)
TIPはブルームバーグ・バークレイズ米国TIPSインデックスに連動するETFです。
投資適格の格付け基準を満たした残存期間が1年以上の米国インフレ連動国債を対象とする株価指数です。
一定の基準を満たした国際、政府関連債、社債、担保付証券など約40銘柄で構成されるETFです。
【TIPの特徴】
- インフレに強い(相関して値上がり)
- デフレに弱い(相関して値下がり)
- AGGの弱点(インフレに弱い)を補完する
TIPの過去10年の年率平均リターンは5%です。
金:GLD(SPDRゴールド・シェア)
GLDは金の価格動向に連動したETFです。金に投資していると考えてOKです。
【金の特徴】
- 金融危機に強い
- 値上がりを期待する類ではない
GLDの過去10年の年率平均リターンは5.1%です。
不動産:IYR(iシェアーズ米国不動産ETF)
IYRはダウ・ジョーンズ米国不動産指数に連動するETFです。
REIT、不動産の保有、開発業を含む米国不動産セクターの約110銘柄で構成される株価指数です。
米国不動産市場全体に投資しているイメージです。
【不動産セクターの特徴】
- インフレに強い
- 景気敏感セクター
- 株・債券と異なる動きをする
IYRの過去10年の年率平均リターンは5.1%です。
【参考】なぜVTじゃなくてVTI、VEA、VWOの組み合わせ?
ウェルスナビが投資先としている株式は米国株(VTI)、日欧株(VEA)、新興国株(VWO)と3クラスに分けているものの「それって結局全世界の株式じゃないの?」「全世界の株式に投資するならVT良いんじゃないの?」と思われるかもしれません。
投資先としてはほぼ同じなので。
VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)
VTはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動したETFです。
米国含む先進国および新興国約47カ国に上場する大型株~小型株、約8,000銘柄で構成される時価総額加重型の株価指数です。
全世界の株式に投資しているイメージです。
VTだけで全世界の株式時価総額の約98%をカバーしているといわれています。
VTI、VEA、VWOを組み合わせなくても、銘柄だけを見ればVTだけで事足ります。
とはいえ、VTはポートフォリオに含まれていません。
理由は以下の通り。公式コラムに説明がありました。
【VTではなくVTI、VEA、VWOを組み合わせる理由】
- 経費率が安く済む(VT:0.09%、VTI:0.03%、VEA:0.05%、VWO:0.12%)
- 資産規模が大きい(VT:1.3兆円、VTI:13.5兆円、VEA:8兆円、VWO:6.8兆円)
- 3銘柄を組み合わせる方がアセットアロケーション調整が容易
※経費率、資産規模は2019年10月17日時点、1ドル=108.48円で計算しているので、公式コラムと数値が異なります。
リスク許容度に合わせて6銘柄(7銘柄)を組み合わせ
あらためて、ウェルスナビが投資先としているETF銘柄は下記の7つです。
【ウェルスナビの投資対象ETF】
- VTI(米国株)
- VEA(日欧株)
- VWO(新興国株)
- AGG(米国債券)
- TIP(物価連動債)
- GLD(金)
- IYR(不動産)
リスク許容度別に上記資産クラスが配分されます。
日々評価額が変動しているので厳密に同じにはなりませんが、定期的なリバランスを挟みつつ以下のように配分されます。
リスク許容度 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
米国株 | 13.0% | 26.2% | 30.4% | 34.8% | 35.0% |
日欧株 | 5.0% | 10.1% | 21.4% | 27.2% | 33.5% |
新興国株 | 5.0% | 5.0% | 6.0% | 8.9% | 13.0% |
米国債 | 35.0% | 35.0% | 29.7% | 14.9% | 5.0% |
物価連動債 | 32.0% | 13.6% | ー | ー | ー |
金 | 5.0% | 5.1% | 7.5% | 9.2% | 8.5% |
不動産 | 5.0% | 5.0% | 5.0% | 5.0% | 5.0% |
合理的かつ理想的な投資理論
それぞれのETFが40~7,600の銘柄を含んでいるので、それらの組み合わせで
- 資産
- 地域
- 銘柄
を分散させることができます。
積み立て投資していくのなら時間(時期)の分散も実現されます。
異なる値動きをする資産・銘柄を組み合わせて行う事はリスク分散につながります。
一定の投資額でコツコツ積み立てをすれば高値掴みのリスクも避けられます(ドルコスト平均法)
これらの投資理論は金融庁でも推奨されている手法です。
投資の知識がない方でも、このような合理的な資産運用を行えるのがウェルスナビのメリットです。
ちなみに私は2017年1月からウェルスナビを運用しています。
経過は下記記事にまとめています。
とはいえ、ウェルスナビは資産運用の最適解ではない
ここまでを文脈ではウェルスナビについての利点が目立つ内容となりました。
が、ウェルスナビは投資の最適解ではありません。
この仕組みでやる以上、やはり運用コストはそれなりにかかります。年1%かかります。
投資について学ぶ意欲のある方は、自身で考えてポートフォリオを組んだ方が
- 低コスト(結果、利益の最適化)
- 経験値を積める(知識の拡充)
これらの面でメリットがあります。手数料1%が損益に大きく影響するので。
また、責任を自分で負うことになるがなによりも成長にもつながります。
とはいえ、まったくの初心者が学んでいくのは簡単ではありません。
- 投資知識ナシ!
- 向上心ナシ!
- 投資に回すお金アリ!
- めんどくさいのはナシ!
このような方にはウェルスナビは適しています。
とはいえ、投資にリスクは付き物です。ウェルスナビも短期で見たり、暴落発生時など含み損を抱えるタイミングはあるかもしれません。
そのようなときに他責(ウェルスナビが悪い!)とする人は、学びにつなげるチャンスを自ら放棄しているようなものです。何事も自責で行動する事で向上に結び付けましょう。
「これから投資を始めたいけど不安」という方は楽天ポイントでの投資信託購入がおすすめです。現金をつかわずして、投資を実践してそこから学ぶ事ができます。
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そもそも投資に回す資産余力がない場合は、生活の固定費を見直しましょう。
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