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国民年金と厚生年金の違いをわりやすく解説!いくら払って、いくらもらえる?

老後2,000万円不足問題で再度クローズアップされている年金。

国民年金?厚生年金?何それ?

という部分をザックリ解説します。

と、おまけでそれぞれの損得についても投資の観点から分析しました。

  • 国民年金と厚生年金の違い(ザックリと)
  • 【おまけ】国民年金と厚生年金が「損」か?「得」か?

国民年金と厚生年金の違いをわかりやすく解説

国民年金と厚生年金の比較を表にしました。

それぞれの違いをザックリ雰囲気把握したい方は、これだけでもOKかもしれません。

国民年金厚生年金
対象すべての人会社員など
負担本人本人と会社(折半)
保険料一律同額(月額16,410円)※毎年微動収入額に応じて変動
支払期間20~59歳働いている間(未成年、60歳以上含む)
支払月毎月毎月(給与、賞与から天引き)
支給額原則同額(満額の場合:年780,100円)※納付期間による / 毎年微動支払った保険料に応じて変動
支給期間原則:65歳~終身 ※繰り上げ、繰り下げ可能(支給額に影響)原則:65歳~終身 ※繰り上げ、繰り下げ可能(支給額に影響)

国民年金と厚生年金をごっちゃにしてしまう気持ちもわからなくないですが、対象が違います。

  • 国民年金:20歳~59歳の日本国民みんな
  • 厚生年金:会社などに務めている方(未成年でも、60歳以上でも)

よく年金は階層構造に例えて表現されます。

国民年金と厚生年金を階層構造で表現すると、下記図のようになります。

国民年金と厚生年金の階層構造国民年金と厚生年金の階層構造

すべての人が「国民年金」会社員などは「国民年金+厚生年金」という形になります。

国民年金、厚生年金以外にも、年金や年金代わりになるものはあります(3階、4階、、、)
年金不足問題が注目されるご時世、「自分年金」をいかに構築できるかが、人生のゴールを豊かに過ごせるかに大きく影響します。

表は簡素化するために割愛した箇所もあるので、誤解が生じる内容もあります。

それぞれ簡単に補足していきます。

保険料の違い(支払い金額)

まずは保険料(支払い金額)周りについて。

国民年金の保険料は原則誰もが同額(収入状況による減額制度あり)

保険料は小難しい計算で算出されます。

今年(2019年度/令和元年度)の保険料は月額16,410円

毎年微増するのですが、今の算出法だと概ね月額17,000円未満という感じです。

損?得?国民年金の金額。いくら払って、いくらもらえるの? 年金不足問題が世の中をつつき回しているこのご時世。 年金について改めて考える方も少なくないと思います。 「老後の...

厚生年金の保険料は給与額に応じて変わります。

概ね月収(額面)の18.3%が保険料額。

半分は会社が支払うので、加入者本人の支払い額はおよそ9.15%となります。

■「概ね」「およそ」という言葉を使ったワケ

保険料は月収額に応じて「等級分け」して適用されます。厳密に収入額から算出されるわけではなく「ここからここまで」という感じで同じ額が適用されます。
例)30万クラス:月収29~31万の人は一律月額54,900円(30万円×18.3%)

厚生年金加入者は毎月のお給料や賞与から保険料が天引きされます。

この天引き保険料の中には国民年金保険料も含まれます。

支給額の違い(受取額)

国民年金は満額時の支給額は誰もが同額。

2019年度(令和元年度)は年額780,010円

支給は2か月に一度なので、満額時は130,016円ずつ(2か月分)受け取ります。

未納期間があって満額受け取れない方は、以下の計算式で支給額が算出されます。

支給額 = 満額(780,010円)× 保険料納付月数 ÷ 480

厚生年金は支払った保険料に応じて支給額が変わります。

保険料は収入に応じて変わるので(上記参照)「たくさん給料をもらった人は、たくさん年金がもらえる」という事になります。

下の表は概算額の表です。合ってると思います。。。参考にしてください。

加入期間
10年20年30年40年



20万円13万円26万円39万円53万円
30万円20万円39万円59万円79万円
40万円26万円53万円79万円105万円
50万円33万円66万円99万円132万円
60万円39万円79万円118万円158万円
70万円46万円92万円138万円184万円
80万円53万円105万円158万円210万円

支給期間

支給期間は国民年金・厚生年金ともに原則65歳からの受け取りです。

ですが、どちらも繰り上げ受給、繰り下げ受給が可能です。

そして、受給時期を変更することで支給額も変わります。

  • 繰り上げ受給:「0.5%×繰り上げた月数」減額
  • 繰り下げ受給:「0.7%×繰り下げた月数」増額

繰り上げ受給のMAXは60歳からの受給(支給額30%減)、繰り下げ受給のMAXは70歳からの受給(支給額42%増)となります。

国民年金、厚生年金ともに終身年金なので、死ぬまで受け取る事ができます。

【おまけ】国民年金と厚生年金の損得を分析

全くもって野暮な事とはわかりつつ、国民年金・厚生年金それぞれ「損」なのか、「得」なのかを分析しました。

一般論(大方の意見)としては

  • 国民年金なんて、大した額もらえないし払うだけ損だよね
  • 厚生年金は会社が半分払ってくれるから得だよね

という意見が多いですが、果たして。。。

国民年金は得!厚生年金は損!

両年金の損得をIRRという投資指標を用いて計算しました。

投資の際の内部収益率の指標で「どの期間いくら払って、どの期間いくらもらったか」というキャッシュフローから利回りを算出する指標です。
(かなり噛み砕いた説明です。詳しい方ツッコミご容赦!)

■シミュレーション条件

  • 国民年金は2019年度の支払い額
  • 支給額で算出
  • 厚生年金は平均月収30万円、40年間保険料納付で算出
  • 厚生年金は本人負担分のみと会社負担分も加味した2パターン算出
  • ともに所得税控除20%を加味(やっさしーぃ!)

以下、結果です。

何歳まで受給したか(生きたか)
70歳81歳85歳87歳90歳100歳
国民年金-1.08%2.17%2.63%2.81%3.03%3.50%
厚生年金
※加入者負担分のみ
-3.02%0.72%1.26%1.48%1.74%2.32%
厚生年金
※会社負担加味
-1.12%-0.21%-0.08%-0.03%0.03%0.17%

「厚生年金の会社負担分は加味しなくて良いんじゃない?」という声が聞こえてきそうです。

そうです、半分は本人が払っているわけではないのですから。

ですが、考えてみてください。

会社が負担しているその金額は、本来会社の利益となるお金

そして、それは個々の給与に反映されるべきお金でした。

つまり、めぐりめぐって加入者本人も見えない形で負担(影響)しているので、完全無視はできません。

という事で、比較するなら会社負担分を加味した方を見てほしいです。

それぞれ見ていきましょう。

■国民年金・厚生年金のIRR

  • 70歳まで受給:国民年金、厚生年金ともにマイナス
  • 81歳(男性の平均寿命)まで受給:国民年金は2.17%、厚生年金は-0.21%
  • 87歳(女性の平均寿命)まで受給:国民年金は2.81%、厚生年金は-0.03%
  • 100歳まで受給:国民年金は3.50%、厚生年金は0.17%

「いくら払って、いくらもらえるか」の観点でいけば

「国民年金は得、厚生年金は損」する場合が多い

という結論になります。

何歳まで生きるか(受給できるか)にもよるので、どれくらいの投資効果があったのかは終焉時までわかりませんが。

まとめ

個人的にはおまけコンテンツがメインだったり(笑)しますが、国民年金と厚生年金の違いについて解説しました。

別にこの内容から国に対して声高々に文句を言いたいわけではありません。

  • 自分を取り巻いている事柄をしっかりと理解する事
  • 自分にできる事に焦点を合わせる事

大事なのは上記です。

国の制度をうんちゃら言っても変えられないものは変えられません。

理解したうえで何をするか、です。

自分の受け取れる公的年金について理解したうえで「自分年金をどのように設計するか」というのが私たち一人一人がすべき事です。

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