米国株式において投資先はもっぱらETFです。
理由は次の2つです。あくまでも所感です。
- 国内企業と比較して企業分析のハードルが高い
- 国内ETFと違い、優秀な商品が多い
そのような商品に投資するにしても、投資先について理解を深めるのは投資家としては必須の項目です。
この記事では米国株式ETFの運用をしている世界最大規模の資産運用会社主要3社について解説します。
本記事の内容
世界3大資産運用会社
世界市場での運用額上位3社は下記の通りです。
■世界市場シェア上位3社
- ブラックロック(約737兆円)
- バンガード・グループ(約605兆円)
- ステート・ストリート・グローバル(約388兆円)
※カッコ内は2019年6月末時点での運用資産残高
運用規模の大きさ比較
上記3社が世界の3大資産運用会社です。
運用額を添えましたが、数値がぶっ飛びすぎてイマイチ実感がわきづらいです。
ちょっとでもわかりやすいように、比較対象として参考になる数値を並べます。
- 全世界の株式時価総額:約5,000兆円(2019年8月時点)
- 東証1部の時価総額:約600兆円(2019年9月末時点)
ブラックロック、バンガード・グループ、ステート・ストリートの運用総額を合わせると約1,730兆円。全世界の株式時価総額の約3分の1です。
補足:全世界の株式時価総額は浮動株調整後(myINDEX参照)
さらに驚くべき事実としては東証1部取扱の時価総額よりもブラックロック、バンガード・グループそれぞれの運用額の方が大きいという・・・日本の市場も規模だけで見れば世界の中でも大きいのですが、1社だけでそれを上回っているので規模がいかに大きいかわかりますね。
■余談
日本市場は規模は大きいですが、将来性は期待薄。米国と違い、市場全体への投資しても結果が伴いません。さらに国内株式の構成ファンドで優れているなと思える商品もありません。 とはいえ、企業分析は他国よりもしやすいので自身で個別銘柄でポートフォリオを構成するしかないかなと考えています(国内株に投資する場合)
資産規模が大きくなると経費率が下がる
ブラックロック、バンガード・グループ、ステート・ストリートの規模がかなり大きいことはわかりました。
そして、この規模の大きさは我々個人投資家にとってもメリットがあります。
ファンドにおいて資産規模が大きくなると、総じて経費率は下がる
上記ETFファンドは信託報酬は極めて低い水準で運用されています。
規模が大きくても小さくても、かかる労力はそこまで変わりません。
※実際は多少変わりますが、だいぶ話を端折ってます。
運用コストは信託報酬という形で投資額に一定率をかけた金額で投資家から回収しています。
※売買手数料除く
運用コストの回収額 = 投資額 × 信託報酬
規模が大きいという事は投資額部分が大きくなります。
そして、必要な経費は規模の大小問わずそこまで変わりません。
つまり、信託報酬を小さく設定することが可能になるという事です。
■運用コストの比較
- IVV(ブラックロックのS&P500連動ETF):0.04%
- VOO(バンガードのS&P500連動ETF):0.03%
- SPY(ステート・ストリートのS&P500連動ETF):0.09%
- HDV(ブラックロックの米国高配当株ETF):0.08%
- VYM(バンガードの米国高配当株ETF):0.06%
- SPYD(ステート・ストリートの米国高配当株ETF):0.07%
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):0.165%
- 楽天VTI:0.172%
日本のインデックスファンドも運用コストはかなり安いですが、はるかに下回る額の信託報酬で投資が可能です。
主要3社の米国株式ETF
これら3社のETF商品を紹介します。
慣れてなかったら、ティッカーを見てもどれが何かどんなものかパッとわかりません。
私としてはS&P500連動か米国高配当株のETFをとりあえず押さえておけばいいかなと考えています。
主要3社のS&P500連動ETF
ブラックロック、バンガード・グループ、ステート・ストリート・グローバルのS&P500連動ETFは以下の通りです。
■主要3社のS&P500連動ETF
- ブラックロック:IVV(iシェアーズ・コア S&P 500 ETF)
- バンガード:VOO(バンガード・S&P500 ETF)
- ステートストリート:SPY(SPDR S&P 500 ETF)
主要3社の米国高配当株式ETF
ブラックロック、バンガード・グループ、ステート・ストリート・グローバルの米国高配当株式ETFは以下の通りです。
■主要3社の米国高配当株式ETF
- ブラックロック:HDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF)
- バンガード:VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)
- ステートストリート:SPYD(SPDR ポートフォリオ S&P 500 高配当株式ETF)
世界3大資産運用会社の米国ETFまとめ
世界の3大資産運用会社は以下の通りです。
- ブラックロック
- バンガード・グループ
- ステート・ストリート・グローバル
- 運用総資産額がハンパない(それぞれ約737兆円、約605兆円、約388兆円)
- 東証1部の取扱時価総額(約600兆円)を1社だけで上回る
- ETFの運用コストが低い
日本でも人気の米国株ETFは、どれもこれらの会社のファンドだったりします。
会社 | S&P500連動ETF | 米国高配当株ETF |
ブラックロック | IVV | HDV |
バンガード | VOO | VYM |
ステート・ストリート | SPY | SPYD |
上記ETFは覚えておいて損はないと思います。
最重要インデックス「S&P500」について解説しています。