投資信託を購入・運用した場合、確定申告はどうすれば良いの?という疑問に答えます。多くの場合は利益が発生しても確定申告をしなくてOKです。そのための口座種別の条件、投資信託の税金について説明します。確定申告が懸念で投資信託を始められない方は、どのように証券口座を開設すれば確定申告が不要になるか解説していきます。
本記事の内容
確定申告が不要になる投資信託用の証券口座の選び方
課税処理が発生する場合、原則確定申告をする必要があります。投資信託で発生した利益には税金がかかります。よって、投資信託においても原則確定申告が必要です。
しかし、証券口座の種別によって確定申告を不要にする事ができます。これから確定申告が不要になる口座種別の選び方を説明します。
特定口座(源泉徴収あり)であれば確定申告不要
証券口座の種別は下記の3種類があります。
- 特定口座(源泉徴収あり)
- 特定口座(源泉徴収なし)
- 一般口座
この中で「特定口座(源泉徴収あり)」であれば、確定申告が不要になります。利益が発生して課税が発生した場合、金融機関で源泉徴収されるので投資家(あなた)は何もしなくてOKです。
■他の口座種別について
- 特定口座(源泉徴収なし):年間取引報告書を金融機関が作成してくれるので、それを用いて投資家が確定申告、納税を行う
- 一般口座:税金計算、確定申告、納税すべてを投資家が行う
■なぜ確定申告が必要な口座があるのか?
手間の事を考えると、自動で源泉徴収を行ってくれる口座だけがあれば良いように思いますが、なぜ源泉徴収なしの口座があるのでしょうか?これは払う必要のない税金を払ってしまったり、必要以上に払ってしまうケースを避けるためです。
- 特定額の利益に満たなければ税金の支払いは不要
- 他の銘柄で損失が出えていれば、支払税金額を抑える事ができる
上記を考慮して、税金を安く抑える事が可能です。そのためには知識と手間を要しますので、初心者の方を中心に源泉徴収ありの口座が選択されることが多いです。
※過去の楽天証券の発表だと、特定口座(源泉徴収あり)の割合が8割を超えています。
投資信託にかかる税金について
確定申告の要否に関しては、口座種別によって変わる事を説明しました。ここからは投資信託にかかる税金についてを深掘りしていきます。
投資信託は税率20.315%で下記のものに税金がかかります。
- 普通分配金
- 売却益
20.315%=所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%
先の説明で特定口座(源泉徴収あり)を選択すると確定申告が不要と説明しましたが、実のところ下記のいずれかに当てはまる場合も確定申告が不要となります。
- 年間給与所得2,000万円以下で投資等の利益20万円以下
- 年間年金所得400万円以下で投資等の利益20万円以下
- 給与所得がなくて投資等の利益38万円以下
- NISA、つみたてNISA、iDeCoの口座で運用している投資資産の利益
【確定申告不要】税金が控除されるNISA 、つみたてNISA、iDeCo
NISA、つみたてNISA、iDeCoの口座で運用している場合、利益が発生しても課税されません。つまり、確定申告は不要です。
通常20.315%課税される税金が控除されるという事は、イコール利益に回るという事です。まだ運用していない方は検討してみてください。下記、それぞれの簡単な説明です。
NISA、つみたてNISA
NISAは別名を少額投資非課税制度といいます。名前の通り、決められた金額内の投資において非課税となる仕組みです。つみたてNISAはNISAと比較して上限金額や期間などがよりつみたて投資に特化されたものです。
- NISA:上限額600万円(年120万円×5年間)
- つみたてNISA:上限額800万円(年40万円×20年間)
iDeCo
iDeCo(イデコ)は正式名を個人型確定拠出年金といいます。老後に向けた資産形成に特化したつみたて投資優遇制度です。非課税となるだけではなく、つみたて投資に掛けた金額が全額所得控除となります。掛け金は最低月5,000円からで上限は加入者の属性によって変わります。
まとめ:特定口座(源泉徴収あり)で確定申告は不要
確定申告が不要になる条件や、投資信託にかかる税金について説明しました。税金計算や確定申告の煩わしさが懸念で投資信託をまだ始められていない。そんな方は「特定口座(源泉徴収あり)」で運用すれば確定申告が不要になります。
「特定口座(源泉徴収なし)」や「一般口座」であれば、税金を安く抑える事が可能なケースがありますが、知識や手間を要します。これから始める方は特に「特定口座(源泉徴収あり)」の口座をオススメします。楽天証券やSBI証券など一般の証券会社であれば、特定口座を選択することが可能です。